人間国宝と言えば・・・円広志さんが認定するもの!(笑)
(それは、となりの人間国宝です)
関西ローカルTVではそう決まっています。
それはさておき、本物の人間国宝ってなれる人に
実はなれる人数に制限がある?
人間国宝に選ばれるためには?
これらについて調べてみました。
人間国宝の定員数は「何人?」
人間国宝になれる人数は最大「116人」と決まっています。
(2021年6月時点)
ちなみに1994年までは「70人」でした。
なぜ、人間国宝に人数制限をして定員を設ける必要があるのか?
なぜ、定員数が明確に決まっているのか?
その理由は「お金」なのです。
人間国宝に選ばれると国から年間200万円の助成金がもらえます。その全体の国家予算が現在は2億3200万円と決まっています。(人間国宝助成関係予算の総額)
※2億3200万円÷200万円=116人
この計算で定員が決まっているのです。
ちなみに、200万円は何の目的のお金なのでしょうか?
これはその芸や技術を維持するためということと、またはその芸能の後継者を育てるために使ってくださいというお金です。
ちなみに人間国宝は亡くなった時点で解除されます。
そもそも、人間国宝とはなんぞや?
国宝とは国が指定した「重要文化財」のことを言います。
建築物・仏像・絵画・焼き物などのモノです。
それに対する人間国宝とは「重要無形文化財」のことを指します。
日本には「文化財保護法」という法律があります。
その法律によれば、重要無形文化財保持者とは・・・
という定義があります。
要するに、日本古来の伝統芸術や伝統技能の名人のなかでも特に優れた人だけが指定されるのです。
芸能:能・浄瑠璃・歌舞伎・文楽・邦楽・舞踊・新派
技能:陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・手漉き和紙
などなど
これらのジャンルから人間国宝が誕生しています。
有名な人間国宝の方々
・五代目坂東玉三郎(歌舞伎)
・二代目 中村吉右衛門(歌舞伎 立役)
・十代目柳家小三治(古典落語)
・桂米朝(古典落語)
・二世 野村万作(狂言)
・山勢松韻(箏曲)
・十四代今泉今右衛門(色絵磁器)
・山本晃(彫金)
・青木鈴慕(尺八)
などの方々が人間国宝に選ばれておられます。
2000年以降で人間国宝に選ばれたの方々
年 | 名前 | 分野 |
---|---|---|
2000 | 中村雀右衛門 | 歌舞伎 |
2000 | 井上八千代(四世) | 日本舞踊(京舞井上流) |
2001 | 吉田簑助 | 文楽(人形浄瑠璃) |
2002 | 鈴木治 | 陶芸 |
2003 | 山田五十鈴 | 歌舞伎 |
2003 | 小川破笠 | 能楽(観世流) |
2004 | 小島康夫 | 日本舞踊(花柳流) |
2005 | 観世銕之丞 | 能楽(観世流) |
2005 | 福田栄光 | 能楽(宝生流) |
2006 | 十一代大樋長左衛門 | 陶芸 |
2007 | 小田章(岡村) | 能楽(大鼓方) |
2008 | 片山清司 | 能楽(観世流) |
2009 | 高橋敬典 | 金工(鍛金) |
2010 | 久田三位 | 茶道 |
2011 | 清水公照 | 漆芸 |
2012 | 小宮康孝 | 能楽(小鼓方) |
2013 | 中村歌右衛門(六代) | 歌舞伎 |
2014 | 橋本欣三 | 陶芸(色絵磁器) |
2015 | 藤間勘右衛門 | 日本舞踊(藤間流) |
2016 | 野村四郎 | 狂言(和泉流) |
2017 | 平良敏子 | 工芸(芭蕉布) |
2018 | 高橋祐次 | 工芸(木工芸) |
2019 | 石井美千代 | 工芸(染織) |
2020 | 井上安治 | 漆芸 |
2021 | 山口亮一 | 能楽(観世流) |
2022 | 西岡常一 | 建築(宮大工) |
(出典:文化庁)
人間国宝になるとメリットがあるのか?
人間国宝になるとメリットがたくさんあります。
まずは、前述したように「助成金」を受け取ることができます。
それに、人間国宝作というブランドがつくと自分の作品がかなりの高額で売れるようになるのです。
そして、お金の恩恵も受けることはもちろんですがなによりも「名誉」が得られるというメリットが大きいようです。
人間国宝に選ばれるための「裏ワザ」とは?
意外と知られていないのですが、人間国宝に選ばれるための「年齢制限」はありません。
人間国宝というと「重鎮」のイメージが強いですが、若い年齢でも人間国宝になることはもちろん可能なのです。
そこで、人間国宝になるための裏ワザとはこれです!
「マイナーなジャンルを選ぶこと」です。
例えば、メジャーなジャンルでは陶芸。
新たに、陶芸にチャレンジして人間国宝になろうとすれば相当な才能と努力がないと無理です。
メジャーなジャンルはライバルの人数も多いですしなにしろキャリアが深い40年~50年という人がうじゃうじゃいるからです。
相当、難しそうだよね!
だからこそ、狙い目はマイナーな分野です。さらに言うと、後継者がほとんどいないような“絶滅寸前の伝統芸能”がおすすめです。
例えば過去には「伊勢型紙糸入れ」という染色技術で人間国宝に選ばれた女性がいます。後継者がたった一人しかいなかったため38歳で認定されました。
その後の人生バラ色だよね!
これからの狙い目の分野は・・・
歌舞伎とか陶芸などのメジャーなジャンルではなく
金箔を扱う「截金(きりかね)」
象牙を扱う「撥鏤(ばちる)」
・・・こういうジャンルは後継者不足で狙い目かもしれませんね。
まとめ
ここまで、人間国宝についての定員についてやメリットやなるための裏ワザについてお伝えしてきました。いかがだったでしょうか?
テレビなどで紹介される分野であれば聞き馴染みがあるのですが聞きなれない伝統芸能や技術もたくさんあることがわかりました。
個人的にはくだらないバラエティばかりテレビで放送せずにもっと伝統芸能などの歴史も放送しても良いのでは?
そうすれば、メジャーなジャンルもどんどん増えていくと思いました。
ほとんど放送されないからね!
未来、大切にするべきなのか?
消えゆくものは仕方がないのか?
・・・議論がわかれるところだと思いますね。
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